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南船北馬inblog

【旧:南船北馬(HTML版)はこちら】
【南船北馬】:絶えず方々に旅行すること。昔、中国では、南部は川が多く船で、北部は陸地を馬で旅行したことからいう。そんなふうにしょっちゅう旅に出られたらどんなに楽しいことだろう…
by gdcl-nshb
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ドクメンタ12の4
 ちょっとのんびり過ぎたかもしれない。2時過ぎに行動を再開する。本日の後半戦は、カッセル一番の名所でもあるヴェルヘルムスヘーエ公園の中に建てられたヴェルヘルムスヘーエ城に向かう。ここは場内が美術館になっており、普段はゆかりの古典絵画を展示しているが、この時期は当然のことながらドクメンタの第2会場にもなっているのである。

ドクメンタ12の4_d0081682_172201.jpg トラムはメインストリーををひたすら(ほぼ)まっすぐ進み、丘を登っていく。実際、ヴェルヘルムスヘーエ公園はカッセルの町がある丘陵の上に位置しており、そこに至る道はそれこそ参道のように本当にまっすぐ伸びている。上ってみて振り返ると、今来た道が延々と一直線に町の中央部までつながっているという景色が見てとれる。これはけっこうすごい景色だなぁと思った。

 さて、そんなトラムの道だが、そこにたどり着くまでの行程もまたよい。はじめは街並みを進むトラムは高度を上げていくとともに緑が増え、やがて線路は林の中に入っていく。その木々のたたずまいが気のせいかもしれないがヨーロッパの森な感じで、惹かれるのだった。

ドクメンタ12の4_d0081682_17233917.jpgドクメンタ12の4_d0081682_1725866.jpg 30分ほどのトラムの旅で到着したのは森の中の駅である。ここから城までは15分くらい上ったところにあり、そこまでは森の中の遊歩道になっている。はからずも山歩き、ハイキングの様相を呈してきた。今回はアートな旅を志向していたのだけれど、これはこれでけっこういいかも。やっぱりアウトドアがさかんなドイツだし、自然上等じゃあないか。
ドクメンタ12の4_d0081682_1726613.jpg もっともそんな散策気分をあまり堪能してばかりもいられない。ヴェルヘルムスヘーエ公園からカスガーデンというこの広大な公園は明日たんまりと歩き回る予定なのだ。山頂のほうを見上げるとカスガーデンの巨大な塔がみえる。すごく素敵である。でも、今は見るまい。今は城、城の中の美術品に集中なのだ。
 と、思ってそんなにじっくりと公園を観るのはあえて控えめにしてはいてもやはりそのすごい光景は眼に残ってしまうものである。そしてもっと驚いたことに、城の中に展示されている作品の中に1700年頃のカスガーデンの風景画があって、これが今さっき見た公園のまま。噴水や清流が美しい水の公園として描かれていた。昔から変わらずにあり続ける公園。これは確かに観光の中心になるわ、と思わざるを得なかった。

ドクメンタ12の4_d0081682_1726452.jpg さて、ヴェルヘルムスヘーエ城である。大きく弧を描く石造りで、重厚かつ荘厳なイメージである。
 中に展示されている作品群も、中世のドイツの作家の作品でいかにも重厚にしてクラシカル。それはそれでよい。妖精や女神などの宗教をモチーフとした、いかにもヨーロッパな絵画群が並んでいる。裸婦マニアのオレとしてはかなりうれしい。古典絵画の女性はみな肉感的でオレ的にはまさにストライクである。

 ドクメンタ会場の機能としては、古典的な絵画と現代アートを切り離して展示するのではなく、本当に同列に展示している。いや意図的に混雑させることでその差異自体をひとつのインスタレーションとしているように感じされた。古典的な作品の間に現代アートがあるというのが対比として純粋に面白いのだ。
 そんな中、MARTHA ROSLERの女性のヌード写真の大きなコラージュ作品は特に裸婦(そしてそこにあるエロティックな要素の変遷)が明確に浮き彫りにされていてよかった。しかしもっとも作品自体はまんまみうらじゅんのエロコラージュでおいおいと思ったりもしたのだが。

by gdcl-nshb | 2007-09-02 08:00 |  ├ '07 カッセル編第2夜
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