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南船北馬inblog

【旧:南船北馬(HTML版)はこちら】
【南船北馬】:絶えず方々に旅行すること。昔、中国では、南部は川が多く船で、北部は陸地を馬で旅行したことからいう。そんなふうにしょっちゅう旅に出られたらどんなに楽しいことだろう…
by gdcl-nshb
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追手門広場で観光の準備
 そろそろ9時になろうとしていた。あるいはまだ9時前なのか。という見かたもあるが、とりあえず9時というのは実は待ちかねたタイミングなのである。何故か? 観光案内所が開いてレンタル自転車が借りられる時間だからだ。弘前は狭いようで広い。効率的に観光するにはもちろん自転車が最適なのである。
 というわけで、追手門広場にある案内所の開所と同時に自転車を確保する。そしてそのまま車上の人に。ではなく、案内所近辺の観光施設をまわるのであった。城の隣にある追手門広場には、洋館や展示館などが集められており、けっこう面白そうでなのある。まずは足を確保してからじっくりと観る計算高いオレであった。

d0081682_1515416.jpg まずは、旧弘前市立図書館である。ルネサンス様式をベースにした和洋折衷の木造の洋館だ。明治時代からある建物で、図書館というよりは、こじんまりとした屋敷のようだ。なんでも下宿屋であったときもあったらしく、オレの印象もあながち間違いではないようだ。図書館らしくないという印象は、それなりに大きな洋館ではあっても、現代の図書館に対するイメージから比すればやはり手狭だなぁ、というところから感じるのだろう。
 しかし、よく考えれば、だ。推測半分ではあるが、往時の図書館は、図書自体、今のような膨大な冊数があったわけでもなく、大きな施設である必要がなかったのだろう。「図書館」ではなく、図書の「館(やかた)」ということだ。
d0081682_1521553.jpg また、知識人(と云いきってしまってよいものかどうかは判らないが)が自らの知的好奇心を満たすため、あるいは、何らかの調査のため、篤志家が集めた書籍や資料を閲覧する場所というものだったのだろう。こう簡単にまとめてしまうと、今の図書館となんら違いはないような感じもするのだけれど。なんだろう、この図書館に入ったときに感じた、今の図書館の持っている機能や在りようとは何か違う時代感を受けたのだった。もしかしたら単純に書籍在庫の違いなのかもしれないが。とにかく、書物と読者との関係性が現代とは違うのではないか。あくまでも直感としてそう感じたので、それをうまく表現できないのが悔しい。
 あと、単純に面白いなと思ったのは婦人閲覧室という別室があったことだろうか。やはり男女七歳にして席を。。。ってヤツのせいだろうか。

d0081682_1523039.jpg 続いては旧図書館の向かいにある山車展示館に進む。ここは300年程前に、弘前八幡宮祭礼で使われた山車を集め展示してある。ひとつひとつがそれなりに大きく館全体で5,6台くらいだろうか。山車それ自体ではなく山車飾りのモチーフの展示で、もし台ごとだったらおそらくもっと場所をとっただろうな、と思う。単に展示されているだけではなく展示のモチーフとなった原典、例えば中国の古典や日本の伝説逸話などだが、これらが説明されていており面白かった。オレが特に気に入ったのは、ひとつは猩猩寺。「くめどもつきぬ酒のつぼ」という一言が実になんというか、羨ましい限りである。もうひとつはふたまた大根。これすなわち歓喜天となっており、つまりはむつみの姿というかもだえ姿というか。要するにオレが反応しやすいネタは酒と女ってことなのか。
d0081682_1525373.jpg これは方言の話なのだが、入口付近に「じょっぱり」という言葉が書かれその説明書きがあった。じょっぱりとはつまり頑固を指す事はということなのだそうだ。ちなみにその最上級形が「ごうじょっぱり」なのだそうだ。正直、オレはじょっぱりという言葉は知らなかったのである。しかしごうじょっぱりという言葉は普通に知っていたし、実のところそちのほうが一般的な言葉だと思っていた。なんか認知度が逆なんじゃないのかなぁ、と少々おかしくなったのであった。

d0081682_1531067.jpg さらに向かいにある、つまり図書館に並ぶ場所にあるのが、旧東奥義塾外人教師館。外国 語教師の住まいになっていた西洋館である。展示室は無料だが、館内の喫茶室は有料という設定となっており、施設的の取り扱いとしては逆じゃないの的な感じがしないでもない。
 1階は喫茶室で、別に入る気もなかったが時間が早すぎて開店前。悩むまでもなく、2階を観てまわる。ここが前述の教師家族の住まいだった部分である。屋内に普通にブランコが設けられているのが、幼い家族のいる風景を思い描かせる微笑ましさを感じるとともに、よくも室内に普通にブランコを作ったのだなぁ? 異文化だなぁ。みたいな感じも受けた。もっとも冬は雪深い津軽である。屋内遊びのための必然なのかもしれない。

d0081682_1533198.jpg さて、この教師館のまわりはちょっとした芝生の公園となっているのだが、もちろんそれだけでは終わらず、ここにもさりげなく、かつ濃い展示がある。弘前市に数多くある西洋館を何分の一かのサイズで再現(いや、現物がある中で作られているから複製という言葉が相応しいのか)している、不思議なジオラマ空間がそれだ。それぞれ館によってばらつきはあるが、概ねどの館の屋根もオレの腰のあたり。軽く見下ろす感じの高さである。そんなミニチュア洋館の街並みの中をぬって歩くと、自分が巨人なったかのような感覚にとらわれる。逆に館の中に人がいたとしたらちょうど見上げたあたりでオレと目が合うんだろうなぁ。そりゃ怖かろう、とそんなことを思う。
 洋館がかなりリアルなつくりだったので、オレもつい「これは8分の1計画が発動されたのか!?」と妄想したりした(実際には10分の1だそうだ)。しかしそんなマニアックなネタを思いつく思うとは我ながら恥ずかしい。ドンピシャ世代じゃないのだけれどね。言い訳か。

 その後、案内所内の土産物屋を軽く物色して早くもいろいろ買い込んだりしながら、さて今度こそ、いよいよ、弘前周遊観光に出発である。
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by gdcl-nshb | 2006-09-21 05:00 |  ├ 弘前編
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