【南船北馬】:絶えず方々に旅行すること。昔、中国では、南部は川が多く船で、北部は陸地を馬で旅行したことからいう。そんなふうにしょっちゅう旅に出られたらどんなに楽しいことだろう…
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日が暮れてきた。行きと同じ路線で帰るのはつまらないので違う線を使って戻ることにする。そしてただ帰るだけじゃつまらないので、ホテルを乗り過ごしてさらに先に進み、住宅地の散歩と洒落こむ。
蔦の赤い紅葉がきれいな小さな教会に出会う。教会だけじゃなく蔦壁の家が多い。ハイソな住宅街というわけでもないのだろうが、なんとなく裕福お洒落な街並みに見える。 さて、今日の夜はちゃんと地ビールを飲みたい。というわけで、カスガーデンから第3会場に向かう道すがらで見つけたホフに狙いをつけていた。実のところ、市街地から帰るときにホテルを越えて足を伸ばしたのは、その店に行ってみたいからというのも理由のひとつであったのだ。 で、その一番狙いの地ビール(っぽい)看板の出ていた店である。窓も暗くて中がよく見えず少々怖い。ちょっとだけドアを開けて覗き込んでみるがあまり賑わってもおらずやっぱり怖気づいてしまい、これはやめとこうと退散する。 とりあえずホテルの近くにビアホール、というかパブっぽ店があり、ここはドアが開いていて、にぎやかだったので、入ってみることにする。入ってみればどうやら家に帰る前に一杯飲んでいくための、あるいはこれからレストランに繰り出す前に仲間で一杯ひっかけていく、そんなタイプの店らしい。ともあれようやく椅子に座ることができ、ビールを飲むことができるというわけだ。メニューをざっと見たところビールしかなく、やっぱりここはビールしかないのかしら、と思いながらも、ハーフヴァイツェンを注文する。美味い。ヴァイツェンの芳香が身体を癒す。のんびりをビールを味わいながら、メニューをためつすがめつ眺めていると、ママが気を利かせてくれたかミールメニューお持ってきてくれた。オレのそわそわした動きが食い物を求めていることが判ったのだろうか。ともあれ、ナイス判断にダンケシェーンである。 ミールメニューといってもがっつりした料理はなくあくまでもおつまみ程度。とはいいつつ注文したガスボードは、たぶん普通にメーカー製品の肉のジェリーよせなのだろうが、これがめったやらたに美味い。身体が塩気を求めていたのだろうと思うのだが、そんな理屈などはどうでもよく、ちまちまとナイフでこそいで、これまた風味のよい黒パンと一緒に食べると、実に最高なビールの友なのであった。付け合わせのトマトも下味がのっていて美味い。まあ量は本当にないのだけれど、それもでも大満足なのだった。その勢いで2杯目はアルトを注文。これは瓶ビールだったけれど、濃くて美味しかった。 1時間強、だらだらとビールを楽しんで、いい気持ちになって、店を辞す。ホテルまでは歩いて5分もかからない。すでに暗くなったメインストリートを思いのほかの寒さに震えながら帰る。さすがに食い足りない点については、昨日買いおいてあったプレッツェルを食べ、これまた買っておいて飲んでいなかった缶ビールをカシュとやって、自室で2次会開催でフォローしたのであった。 #
by gdcl-nshb
| 2007-09-02 11:00
| ├ '07 カッセル編第2夜
美術作品以外の観光がしたくなっていた。町の中央広場に戻り、ちょっとだけ散歩することにする。
道すがらみつけたよさげな雰囲気の教会に魅かれ行ってみたが、これがまあ教会っちゃ教会なのだけれど、それは昔の話で今はカフェであった。これがちょっといい雰囲気。店の名前をみたら「ルター」とあった。そうかこの教会はルター派か。![]() ![]() さすがに店先でいきなりかぶりつくのもどうかというわけで、ドクメンタ第一会場前の広場に座り、のんびりソーセージをかじる。旅を振り返ってみれば今回のドイツ旅においてソーセージをちゃんと食べたのは(朝食などを除いて)ここが最初で最後。せっかくドイツに来ているのに、フランクフルトなのに! なにやってるんだか。 広場にはかなり低い位置にまで下りてきた太陽が、生暖かい光を投げかけてきている。有体に云ってちょっと冷えてきている。今日はここを基点に一日まるまるかけていろいろとうろつきまわったわけだ。まさにアート漬けの一日であったわけだが、しかしそれもおしまいとなるとちょっとさびしい気がするのだった。いかにも貪欲である。もっとも別に誰に止められているわけでもないわで、第1会場に再度入場し、気に入った作品のみに注力して選択鑑賞する。やっぱりいいものはいい。 それにしても、これだけ夕方(いや陽が長いだけで7時をまわっているのだ)になっているのに、入場者は減るどころか増えている。必ずしも近所の人ばかりではない、いや、遠方からの人のほうが多いのかもしれないけれど、少なくとも現代アートに対するコミットの度合いは日本とは格段に違うなぁと思うのだった。もしかすると現代アートに対してということではなく、日常の中にアートという存在、概念があることが普通であって、だから、生活の延長線上で美術と向き合っているのかもしれない。実際にはどうか判らないがともあれうらやましいかぎりである。 #
by gdcl-nshb
| 2007-09-02 10:00
| ├ '07 カッセル編第2夜
続いて第3会場へ移動。再びトラムに乗り、今度は第1会場を通り過ぎて、というカッセルの町を西に東に右往左往する非常に効率の悪い移動っぷりである。とはいえ、トラムを堪能しているともいえ、そんなに不満なわけでもなかった。まあのんきな旅で結構なことではあるのだけれど、しかし、つい一駅乗り越してしまうのはあまりにもお気楽すぎる。もっともフリーパスだし、時間に追われているわけでもなし、適度な失敗も想定の範疇といえばそのとおりなのである。
第3会場は学校であった。ただしどうやらここは特に作品が展示されてはおらず、どうやらワークショップやセミナーの会場となっているらしい。というわけで、あまりじっくり鑑賞するという会場ではなかった。もしかしたら、展示会場もあったのかもしれないが、時間的にも夕方になってきており、一日ドクメンタ漬けだった身としては正直「もういいかなぁ」という気持ちにもなってきていたわけで、これにてドクメンタ鑑賞は完了、とすることにした。
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by gdcl-nshb
| 2007-09-02 09:00
| ├ '07 カッセル編第2夜
ちょっとのんびり過ぎたかもしれない。2時過ぎに行動を再開する。本日の後半戦は、カッセル一番の名所でもあるヴェルヘルムスヘーエ公園の中に建てられたヴェルヘルムスヘーエ城に向かう。ここは場内が美術館になっており、普段はゆかりの古典絵画を展示しているが、この時期は当然のことながらドクメンタの第2会場にもなっているのである。
トラムはメインストリーををひたすら(ほぼ)まっすぐ進み、丘を登っていく。実際、ヴェルヘルムスヘーエ公園はカッセルの町がある丘陵の上に位置しており、そこに至る道はそれこそ参道のように本当にまっすぐ伸びている。上ってみて振り返ると、今来た道が延々と一直線に町の中央部までつながっているという景色が見てとれる。これはけっこうすごい景色だなぁと思った。さて、そんなトラムの道だが、そこにたどり着くまでの行程もまたよい。はじめは街並みを進むトラムは高度を上げていくとともに緑が増え、やがて線路は林の中に入っていく。その木々のたたずまいが気のせいかもしれないがヨーロッパの森な感じで、惹かれるのだった。 ![]() 30分ほどのトラムの旅で到着したのは森の中の駅である。ここから城までは15分くらい上ったところにあり、そこまでは森の中の遊歩道になっている。はからずも山歩き、ハイキングの様相を呈してきた。今回はアートな旅を志向していたのだけれど、これはこれでけっこういいかも。やっぱりアウトドアがさかんなドイツだし、自然上等じゃあないか。 もっともそんな散策気分をあまり堪能してばかりもいられない。ヴェルヘルムスヘーエ公園からカスガーデンというこの広大な公園は明日たんまりと歩き回る予定なのだ。山頂のほうを見上げるとカスガーデンの巨大な塔がみえる。すごく素敵である。でも、今は見るまい。今は城、城の中の美術品に集中なのだ。と、思ってそんなにじっくりと公園を観るのはあえて控えめにしてはいてもやはりそのすごい光景は眼に残ってしまうものである。そしてもっと驚いたことに、城の中に展示されている作品の中に1700年頃のカスガーデンの風景画があって、これが今さっき見た公園のまま。噴水や清流が美しい水の公園として描かれていた。昔から変わらずにあり続ける公園。これは確かに観光の中心になるわ、と思わざるを得なかった。 さて、ヴェルヘルムスヘーエ城である。大きく弧を描く石造りで、重厚かつ荘厳なイメージである。中に展示されている作品群も、中世のドイツの作家の作品でいかにも重厚にしてクラシカル。それはそれでよい。妖精や女神などの宗教をモチーフとした、いかにもヨーロッパな絵画群が並んでいる。裸婦マニアのオレとしてはかなりうれしい。古典絵画の女性はみな肉感的でオレ的にはまさにストライクである。 ドクメンタ会場の機能としては、古典的な絵画と現代アートを切り離して展示するのではなく、本当に同列に展示している。いや意図的に混雑させることでその差異自体をひとつのインスタレーションとしているように感じされた。古典的な作品の間に現代アートがあるというのが対比として純粋に面白いのだ。 そんな中、MARTHA ROSLERの女性のヌード写真の大きなコラージュ作品は特に裸婦(そしてそこにあるエロティックな要素の変遷)が明確に浮き彫りにされていてよかった。しかしもっとも作品自体はまんまみうらじゅんのエロコラージュでおいおいと思ったりもしたのだが。 #
by gdcl-nshb
| 2007-09-02 08:00
| ├ '07 カッセル編第2夜
しかし、これだけのハイペースで観てまわると、この一日でカッセルの町を見きってしまうかもしれない。そのくらいのペースである。まあ実際にはそんなことにはならないのだろうけれど、かなり急いていたのは確かだ。そんなに慌ただしい旅にするつもりはないので、午後は少々ペースダウンして少し落ち着いていくことにする。
まずは昼食だろう。だが、これだけ歩きまわっているのに、そんなに空腹を感じていないのだ。朝食を食べ過ぎたわけでもないのだけど。あるいは海外旅行という状況に無意識のうちに緊張していたのかもしれない。とりあえずなにかは腹に入れておこうと州立劇場前のフードコートに行き、ビールを注文する。アルコールでひと心地つけて、それで空腹感がやってきたらソーセージなりパスタなりを注文するもよし。という目論見である。頼んだのはピルス。非常にピルスらしいピルスで、軽くて飲みやすい。青空に実に似つかわしいと思う。 ビールを飲みながら午前中を振り返ってみた。オレは現代アートは好きだと思うのだけど、コンセプチュアルなアートは、考えオチなところがあって、直感的に観て楽しい、単純に面白い、というものでもないなぁと思うのである。 オレは企画モノ好きでもあり、コンセプト自体を楽しむ作品ももちろん嫌いではない、いやあえて好きであるといってもいい。しかし、美術というものは、原点は視覚に訴えるものであろうと思うし、そういう作品により惹かれてしまう自分を今回明確に感じた。やっぱりオレは「目の人」なのだなぁと改めて実感したのだった。 #
by gdcl-nshb
| 2007-09-02 07:00
| ├ '07 カッセル編第2夜
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