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南船北馬inblog

【旧:南船北馬(HTML版)はこちら】
【南船北馬】:絶えず方々に旅行すること。昔、中国では、南部は川が多く船で、北部は陸地を馬で旅行したことからいう。そんなふうにしょっちゅう旅に出られたらどんなに楽しいことだろう…
by gdcl-nshb
あやうく帰れなくなる新幹線トラップ
 青森駅までバスで40分。思った以上に時間がかかった。
 駅について、まずは帰りの切符を買う。だが、ここに来るまで、時刻表を眺めながら、これに乗ればバッチリ帰宅だね、などとシミュレーションしていたのだが、ここに落し穴があった。オレの調査不足といってしまえばそれまでなのだが、八戸からの新幹線は全席指定なのだった。そしてオレが乗ろうとしてた電車はおろか、かなり後の時刻のものまで満席なのだった。
 しばし呆然とする。え? てことはオレ、帰れないの? みないな。
 最悪、深夜バスで東京に戻るという選択肢が脳裏に浮かびはするが、さすがに往復深夜バスは勘弁して欲しいし。さてどうしようと、窓口の駅員さんと相談してみる。いくつか検索してもらうと、とりあえず、盛岡までの席がひとつ空いているという。そして、盛岡からは自由席のある新幹線もあるので、それにチャレンジする方法があるとのこと。とりあえず、盛岡までを押さえてもらい、さらに検索。すると盛岡で50分ほど待てば、指定がなんとか取れるらしい。ただしすべて喫煙席だそうで、それはちょっとツライなぁ、煙さよりも自由席の賭けのほうがいいかしらん。としばし悩むが、その場合、東京着時刻が1時間以上も遅くなることを知り、結局、指定席お願いします。とご購入である。
 一時はどうなることかと思ったが、なんとかなるもんである。それにしても全席指定のみというのには恐れ入った。

# by gdcl-nshb | 2006-09-22 04:00 |  ├ 青森編
まさに自由な遺跡散歩
まさに自由な遺跡散歩_d0081682_16122252.jpg 時間にして11時すぎ。次のバス時刻が12時なので、あまり余裕がないようであるような時間の残りようである。というわけで、歩いて10分弱の三内丸山遺跡に行くことにする。前回訪れてから、はや数年が経過している。いつの間にか縄文時遊館なる施設ができていて、仮設展示地域ではなく、しっかりとした観光施設として変化を遂げていた。だいぶ雰囲気も変わっていなぁ、と思いつつ、散策路を進む。
 前回訪れたときにあったエントランスゲートはもはやなくなっていた。入場料などもない。遺跡のある自然公園なのである。それはそれでよいのだが、いやむしろ好ましいことなのかもしれないが、歩いているうちにいつの間にか目の前に巨大な遺跡群が現れているという不思議。
 出し惜しみがないというか、盛り上げかたが緩いというか、若干の拍子抜け感がないわけではない。前回は春だったが、今回は秋だったせいか? 季節の違いは関係ないか。
まさに自由な遺跡散歩_d0081682_16131819.jpg やはり、巨大な大型掘立柱建物(ビジネスライクなネーミングだが)は迫力があった。異世界の文明が目の前に現れている不思議を感じずにはいられない。が、それ以外の竪穴式住居や、高床式住居は、前回の記憶にくらべ小さくなったような気がする。いや、それをいうなら施設の敷地自体がなんとなく狭くなったような気がするのだ。前はどれももっと大きく広く迫力があったように思うのだが。オレが大きくなったせい? なわけないだろう。記憶と事実のアンマッチがなせるわざということだろうか。
まさに自由な遺跡散歩_d0081682_1615342.jpg ま、あまり悠長に感慨に浸っている時間もないので、軽く散策する程度で時遊館に戻る。先ほどは美術館からの散策路から直接、遺跡に行ってしまったせいで本来のルートとは違っていたのだが、実際にはこちらが遺跡へのエントランスとなっている。軽食コーナーや展示室、体験室などもある。が、今は逆にそれらまでしっかり見学してしまうには時間が足りない。というわけで、映像コーナーでの映画をちょっとだけ観たり、土産コーナーを軽く物色したりのつまみ食い見学で終わる。軽食コーナーの発掘丼にはちょっと惹かれたが、まあしかたがない。その分、バス停で食べられるモンブランソフトを食べることにする。ここが栗の名産だからということなのだが、しかし味としては思ったほど栗っぽくはなく、良くも悪くもあっさりした味わい。あまり濃厚でも喉が渇くだけなので、ちょうどいいのかもしれないが、モンブラン好きなオレとしてはやや不満がないわけでもなかった。

# by gdcl-nshb | 2006-09-22 03:00 |  ├ 青森編
美術館の華は常設展示
 そんだけ並んだのであれば、せっかくだからシャガール展も観ればいいのに、という心の声を抹殺しての初志貫徹。常設展へと歩を進める。案の定、人込みなどもなく、じっくりと作品を味わうことのできる環境であった。もっとも、入口からみる限りではシャガール展も館内はさほどに混雑してはおらず、入館人数のコントロールが上手くできているのだな、と思う。
 さて、常設展である。お目当ての奈良以外にも、魅力ある作家たちの作品が溢れているのであった。それら多くの作家の作品は数点が展示されているレベルではなく、それぞれに展示室が分け与えられている贅沢さ。いかに作品群が充実しているかということだ。
 オレの興味どころとしては、まずは棟方志功の一連の版画群。仏画とも美人画とも思える棟方作品は、実は今までじっくり観たことがなかったのだが、なるほど面白い。観音様を模した超越性と肉感的な女性像としての煩悩が入り雑じり、アンビバレンツな作家の表現欲が実によくわかる。
 また、今和次郎の考現学スケッチ。これをアートとして捉えるのかは微妙だが、今和次郎の生原稿をみることができたのは存外の喜びであった。
 実はこちらも期待していたのが成田了のウルトラ怪獣デザインデッサン群。怪獣が好きという単純なファン気質はすでに失ってしまったすれた大人のオレだが、それでも怪獣デザインという空想や妄想を具体化していくプロセスを知っていく知的探検は非常に面白い。もっとも場内にいる子ども達のように単純に「怪獣だーっ!」という楽しみ方ができないのは不幸なのではなかろうかとは思わないでもない。

 いよいよ奈良である。ソウルでの展覧会で使用した「ソウルハウス」の再現がメインで、これもよかったことはよかったのだが、昨日のAtoZに比べると小ぶり(実際にはそれなりに大掛かりなインスタレーション作品なのだけれど)。そう感じてしまうというのは、やはり奈良作品インフレになっているんだなぁ、オレ。実は青森美における奈良作品の真打は、全長8.5メートルの新作「あおもり犬」で、これはさすがに見ごたえがあった。見上げるばかりの大きな奈良犬(いや、あおもり犬だけど)。しかも下半身は地中に埋もれている設定なので、真の全長はさらに倍、みたいな感じ。大きいモノに対して自然に感じる畏敬の念と、奈良作品特有の可愛いもの的な愛玩要素が、ミスマッチ的な絶妙さで非常に面白いものになっている。前宣伝のとおり非常に満足である。

 そんなわけで常設展だけでも非常に広く、2時間近くかけての観覧となってしまった。お腹いっぱいの大満足であった。

# by gdcl-nshb | 2006-09-22 02:00
またバスで移動か。目指すは青森県立美術館
 旅の二日目、というか三日目。というかやっぱり二日目。昨晩は早々に酔い、早々に寝入ったせいで、早起きする。ホテルの窓からは清しい青空が見える。今日も観光日和の予感である。早速朝食をとり、身だしなみを整えて、ホテルを後にする。
 今日の予定はいきなりメインイベントの青森県立美術館である。正しくは美術館を観たら帰宅しないと家にたどりつけない、なのだが。
 弘前から青森までは、電車や路線バスなどいろいろとルートがあるのだが、奈良関連ということで弘前と青森県立美術館の直通シャトルが出ていることを知る。これを利用しない手はない。というわけで、朝8時、弘前のバスターミナルに参集したのだ(いや、ひとりなんだけど)。往復で1000円という格安設定なのだが、あいにくオレは片道切符なのである。できれば安いにこしたことはないわけで、案内所で「片道割引はあるのでしょうか」とたずねてはみたものの、予想どおり「ありません」というつれない返事なのだった。なんだい、ケチ。とどっちがケチなんだか的な感想を持ちつつ、チケットを購入する。もっとも仮に片道であっても、どのルートよりも早くそして安いのである。難癖つける筋合いではないのだ。
 ともあれ、またまた車中の人となる。もっとも今回は1時間程度の行程。とりあえず2度寝で時間跳躍を敢行するのだった。

またバスで移動か。目指すは青森県立美術館_d0081682_1674595.jpg ワープ完了。次に気づいたときにはすでに美術館前であった。
 美術館の開館時間は9時である。バスが到着したのは9時10分。で、その時点ですでに入館待ちの列ができているのである。想定待ち時間は30分程度。おいおい、あんたたちいったいなにが楽しくてそんなに集まっていているの。と思わずにはいられない。まあ、条件が悪かった。いや、本当はよかったのかもしれないが、その日はちょうど? 美術館の柿落とし企画展「シャガール展」の最終日だったのだ。確かにこれだけのビッグネームアーティストの展覧会では列ができるのもやむなしなのだろう。だがしかし、オレが観たいのはシャガールではない。企画展的には、むしろ次回企画「縄文と現代展」のほうがよっぽど楽しそうだ。が、日程的にはしかたがないのである。この日しか予定が取れないのである。スポット参戦なのである。やむを得ないのである。
 オレが観たいと思っていたのは企画展ではなく常設展だった。具体的には奈良美智。奈良漬けの真骨頂である。この美術館は青森にゆかり作家の作品を多く収蔵していることで有名で、その中に奈良作品も入っている。というか一部屋分造りこまれている。感想はあらためて語るが、とにかく常設展だけ観られればよかったオレではあるが、しかし入館待ち列はひとつだけ。これはしかたのないことである。仮に1時間以上待ちなどであったりしたらゴネたかもしれないが(もっともゴネたところでどうなるわけでもないが)、30分程度なら許容する。

# by gdcl-nshb | 2006-09-22 01:00 |  ├ 青森編
夕食としての津軽三味線
 さて、夕食である。なにを食するべきかいろいろ考えた結果、ここはやはりイベント的に楽しめるものがいいななぁと思うのであった。軽く調べてみると、郷土料理の居酒屋でしかも津軽三味線ライブがあるという居酒屋がいくつかあるらしい。あらためて詳細を検索し、これじゃん! という店「杏」に決定。さっそく店に向かう。

 とりあえず着いたものの、開店は6時だが1回目のライブ開始が7時半。今はまだ6時半前。さすがに早すぎるのでは、と逡巡してしまうのだった。そりゃ店に入って飲み始めてもいいけれど、一人飲みのつねとして1時間もあれば絶対食べすぎ飲みすぎになることは火を見るよりも明らかなのである。ここはぐっとこらえて、近所のデパートなどで土産を物色する。もちろん狙いは酒のコーナー。気分が高まるともいうし、お預けを食らわせられているともいうし、まあすべてはオレが決めたことなんだけど。

 そんなこんなで、ようやく7時ちょい前くらいまでに時間が進んだ。さすがにもういいだろうと、いざ入店。わずかな時間の差で満席になっていたらどうしようと、ふと不安がよぎったりもしたが、ひとりくらいの席ならなんとかなるか、という楽観もあり、結果、席はもちろん大丈夫だった。ただし、舞台(といっても玄関脇の土間だが)のちょうどサイド側で、演奏者の横顔しか見えないという位置だが、それはしかたがないだろう。アリーナ席的な中央の囲炉裏席は予約しないとダメのようだし、とりあえず無事入店できただけで満足である。
夕食としての津軽三味線_d0081682_15572874.jpg 開演時間までしばしご歓談。いや、ひとりだから無言で飲んでいるのだが。
 土地土地の名物は食べるべき。しかし名物がなにかイマイチ想像できない。当然、店員さんに聞きながらの注文となる。とりあえずメモに記録してきたので、列記してみよう。
 毛豆。津軽の枝豆だそうだ。確かに毛むくじゃらだった。
 〆鯖。海のもので弘前名物といっていいのかは別として自家製とのこと。美味い。
 ほどいも、アピオス、おからこんにゃくの唐揚。どれも弘前でしか出回っていない土地の食材だそうで、想像もできなかったがこれまた美味い。
 じゃっぱ汁という椀物が弘前としてはメジャーな名物料理であるそうな。確かに聞いたことがある。そして美味かった。いや、結局、なにを食べても美味しかったのだ。弘前最高である。
 肴が美味しければ酒も当然進むのである。地酒がするする喉を通りすぎていくのである。抑え気味にしつつ、ゆっくりと愉しもうと思っていたにもかかわらず、案の定、飲んだり食ったり酒池肉林状態。まったくもって自制心がない。

夕食としての津軽三味線_d0081682_155828.jpg さて、そんなこんなの30分(30分でどんだけ飲み食いしているのか!)。いよいよ、津軽三味線の宴である。おもむろに店の入口の引き戸が開き、3名の女性が入ってくる。手には三味線バッグ。おお、と店内にどよめきが起きることもなく、淡々と準備が進められる。本日の演奏者は地元津軽三味線のチームからの3名で、20代2名、10代1名(中学生大会優勝者)の編成。
 曲は定番の「津軽じょんがら節」からはじまって、「やさぶろう節」「りんご節」と続く。
 アンサンブル、ソロなどさまざまな地元の民謡楽曲が演奏されていく。流れるようなたたきつけるような、荒々しいリズムとメロディ。独奏の持つ孤高の響きに、音が加わっていく。複雑な音の重なり、うねり。津軽三味線恐るべし。
 時間にして30分程度のライブではあったが、非常に濃密で満足できる内容であった。余韻を楽しみつつ残った料理を食し、酒を飲み、そして家路に(ホテルだけど)つくのであった。

# by gdcl-nshb | 2006-09-21 17:00 |  ├ 弘前編